就職や転職で有利になる資格。
履歴書の資格欄に記載できる資格を1つは持ちたいところです。
数ある資格の中でおすすめなのが「日商簿記検定試験2級」、いわゆる(日商)簿記2級です。
簿記2級は、経理や総務といった部署で仕事をする場合は必須の資格。
現在、経理や総務で働いている人にとっても、その上の資格を目指すためのステップアップになる資格です。
結論から言うといきなり簿記2級に合格することはできます!
ここではいきなり2級に受かるために知っておきたい情報をまとめました。
Contents
日商簿記検定試験とは
まずは、日商簿記検定試験とはどのようなものかについて見ていきましょう。
日商簿記検定試験は日本商工会議所が主催する公的資格です。
簿記の資格といえばだれもが思い浮かべる、日本でいちばん有名な簿記資格の1つです。
世の中の流れに応じて、試験範囲や日程などを頻繁に変更するので、つねに新しい情報を把握しておく必要があります。
会社の先輩などと日商簿記の話をすると、結構昔と変わっていることも多くありますよ。
現在は日商簿記初級、3級、2級、1級の4つのレベルがあります。
どのレベルも特別な受験資格はなく、誰でも受験することができます。
2級を中心にそれぞれの特徴を解説します。
日商簿記初級
平成29年4月から新しくできた資格です。
平成29年2月まであった日商簿記4級が廃止され新しく創設されました。
ネット受験という新しいスタイルが導入されています。
ネットといっても家のパソコンから受験できるわけではなく、各地のパソコン教室などで試験が行われます。
簿記を始めて勉強する人向けの試験ですが、始まったばかりなので世間に認知されるのはまだまだ先ですね。
日商簿記3級
日商簿記の中で受験者数がいちばん多いのが簿記3級です。
毎回10万人を超える受験者数で合格率はおよそ40%~50%の合格率。
比較的受かりやすいレベルですね。
資格のテキストなども簡単に書店で手に入り、普通に独学で合格可能です。
しかも商業簿記の基本を理解することができるので人気があります。
試験科目は商業簿記のみ5問、70%の正解率で合格になります。
試験は2月、6月、11月の年3回行われ、受験料は2,800円です。個人事業主や中小零細企業の経理事務に役立つ知識が身に付きます。
日商簿記2級
簿記2級はより高度な商業簿記と工業簿記を修得することができる資格です。
毎回7万人程度の受験者数で合格率はおよそ20%の合格率。
試験科目は商業簿記・工業簿記で5問、70%の正解率で合格になります。
試験は2月、6月、11月の年3回行われ受験料は4,630円です。
個人事業主や中小企業の経理事務だけでなく、
決算書などの財務諸表の内容から経営分析などができる知識を身に付けることができます。
会社の経理全般に携わる知識を身につけることができるため、
内容も3級よりかなり難しく合格率は大幅に下がります。
ここらしっかりとした教材が必要になるレベルですね。
日商簿記1級
日商簿記で最難関なのが簿記1級です。
試験科目も一気に増え商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4つとなります。
受験人数はぐっと減り、毎回1万人程度。
合格率もおおよそ10%と低くなります。
試験は商業簿記・会計学で90分、工業簿記・原価計算で90分となっていますが、具体的な問題数は公表されていません。
70%の正解率で合格ですが、1科目でも40%未満の正答率の科目があると不合格です。
試験は6月、11月の年2回行われ、受験料は7,710円です。
1級に合格すると、1部上場企業や大企業の経理ができるレベルの簿記を修得しているとみなされます。
税理士試験の簿記論や財務諸表論に匹敵する難易度で、合格すると税理士試験の受験資格を得ることができます。
日商簿記2級のメリット
では、日商簿記2級の資格を持つことでどのようなメリットがあるのでしょうか。
就職や転職に有利
簿記2級では経理事務はもちろん、法人の決算書作成などが可能になります。
中小企業の求人では、日商簿記2級を持っていることが条件であることも多いですね。
もちろん履歴書の資格欄に記載できます。
ステップアップができる
簿記2級は、その上の資格である簿記1級や税理士試験の基礎となる資格です。
実務経験を積みながらその上の資格を取得することでより大きな企業に転職したり、
同じ会社でも昇格・昇給したり、税理士を目指すなどステップアップを目指せる資格です。
比較的合格しやすい
就職や転職に有利でステップアップができる資格にも関わらず、年3回も試験を受けることができます。
しかも、おおよそ20%の合格率があるので、
他の難しい資格試験に比べて比較的合格しやすく取得を目指しやすい資格です。
日商簿記2級の資格は独学で取得できる?
では、いよいよ日商簿記2級の資格は独学で取得できるかどうかを、いろいろな角度から見ていきましょう。
最近の傾向(難易度)
日商簿記は試験の範囲が変わることがあると先ほど述べましたが、
実は平成28年、平成29年で日商簿記2級の範囲が変更になります。
今まで1級の範囲だったものが少しずつ2級に加わってきます。
これは、世の中の流れに合わせて新しい会計基準などが増え続けていることや、
いままでなかった仕事やグローバルな仕事を中小企業でも行うようになってきたことなどが原因です。
現状の範囲では、まだ独学で勉強することは可能ですが、
今後、試験範囲が増え続けるとどうなるかわかりません。
逆にいうと、独学で簿記2級を目指すなら今といえます。
簿記2級の勉強時間
日商簿記に受かるための勉強時間は、
いろいろ言われていますが大手専門学校によると簿記3級の場合は60時間~80時間、
2級の場合は150時間~200時間と言われています。
通常、3級合格後に2級の受験をするので、
いきなり2級を受ける場合は、少なくとも200時間~250時間程度は必要と考えてください。
1日2時間の勉強(1週間14時間)を120日間(約4か月)続ければ240時間です。
1日2時間の時間が取れない場合は、例えば平日に1日1時間、土日に1日5時間すれば1週間で15時間の勉強になります。
日商簿記2級は年3回(4か月に1回)受験することができるので、
ある程度期限を区切って勉強しないと、つい今回は諦めて次回にとずるずる行ってしまいがちです。
きっちり計画を立て、計画通りの時間を取ることが、
独学で簿記2級資格を取得するための最低条件と思ってください。
どうやって勉強すればよい?
勉強する時間が取れるとなったら、いよいよ勉強開始です。
ここでは勉強方法について解説します。
テキスト選び
独学する場合、テキスト、問題集、過去問題集の3つが最低限必要です。
また、テキストと問題集は商業簿記と工業簿記が分かれている場合が多いので両方そろえる必要があります。
書店に行けば、簿記2級の本が数多く並んでいます。
どの書籍を選んでも内容が大きく違うことはないので、自分に合ったものを選べばよいでしょう。
迷う場合は専門学校大手の系列である大原出版やTAC出版、中央経済社の書籍を選べば問題ありません。
仕訳など簿記のことがまったくわからない場合は、
いきなり2級のテキストを読んでも理解できないことが多いと思われます。
まずは3級のテキスト、または簡単に分かる簿記などの本をよんで、簿記の基礎を理解しておきましょう。
ちなみに私が使った教材は「スタディング(STUDYing)」です。
通常の学習のほかに、通勤時間や休憩時間にも勉強しやすいように、
音声・動画講義に力を入れている教材で、スマホやタブレットで勉強できるように工夫されています。
あなたが働きながら簿記2級を目指すようでしたら、
ぜひおすすめしたい教材です。
いまなら簿記2級・3級同時合格セットがおすすめですよ。
勉強の進め方
簿記2級の勉強には、
① テキストを読んでインプットの期間
② 問題集を解いてアウトプットの期間
③ 過去問題集を解いて、試験の傾向をつかむ期間
の3つの期間があります。
目安としては最初の2/3の期間は①のインプットと②のアウトプットを行い、
残りの1/3の期間で③の過去問題集を解き、間違えたところの復習を行います。
いつの試験を目指すのかで勉強期間が決まるので、それに応じて勉強時間を配分しましょう。
計画を立てて勉強する予定日を記載する欄があるテキストや問題集もあるので、有効に活用しましょう。
おおよそ最初の2/3の期間はテキストを読んで理解し、その単元の問題を解きます。
間違えたらテキストに戻って復習します。
このとき間違えた問題にチェックしておきましょう。
1週間に1度、土日などの時間が取れるときに間違えた問題を再度解き、定着させます。
残りの1/3の期間は、ひたすら過去問を解いて傾向をつかみます。
間違えたらテキストに戻って復習します。
テキストに戻って復習する必要があるので、
過去問を解く時期は残りの1/3の期間と少し多めにとる必要があります。
簿記の勉強には、記憶と理解、計算になれるという3要素があります。
簿記2級では暗記も必要ですが、それ以上に理解することや計算が大事です。
繰り返し何度も計算問題や過去問を解き、
間違ったら理解するまでテキストを読むようにしましょう。
また、スキマ時間も有効に活用するのも大切です。
通勤や通学の時間でもテキストを読んで理解・復習をすることができますよ。
一番オススメなのはテキストを持ち歩かずどこでも勉強可能は音声・動画講義ですね。
まとめ
「日商簿記検定2級をいきなり独学で取得できるか?」答えはYESです。
簿記2級はテキストの内容を理解し、数多く問題を解けば対応できます。
ただし、それなりの勉強時間を確保できることが絶対条件です。
少なくとも4か月以上、200時間~250時間程度の勉強が必要です。
試験範囲も年々増えてきているので、試験を受けようと思っている人は、
できるだけ早く勉強を開始することをおすすめします。